大会長挨拶

第17回日本口腔ケア学会総会・学術大会

会長 梅田 正博

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座
口腔腫瘍治療学分野 教授

この度、第17回日本口腔ケア学会総会・学術大会を令和2年4月25日(土)・26日(日)の2日間、長崎ブリックホールで開催させていただくこととなりました。口腔ケア学会は会員数7500名を超え、年々会員数が増加しています。本学会には歯科医師や医師のほか、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、その他さまざまな医療職や介護職の方が入会されています。また、日本癌治療学会、日本緩和医療学会、日本臨床腫瘍学会、日本麻酔科学会、日本口腔内科学会など、さまざまな医学系学会と連携協定を結んでおり、文字通り多職種連携、医科歯科連携をしながら口腔ケアを通して国民の健康増進に寄与している学会です。このような学会の総会・学術大会をここ長崎で開催できることは大変光栄であるとともに、その責任の重さに身の引き締まるような気持ちでいっぱいです。

本大会のテーマは「見たい・言いたい・聞きたい 口腔ケア」としました。口腔ケアに関して蓄積されてきた知見を、本学会の参加者の間でできるだけ共有したいという気持ちが込められています。内容としては、海外招聘講演として高雄医科大学の王 文岑先生に台湾における周術期口腔機能管理の現状を、同じく高雄医科大学の陳 克恭先生に海外留学に関して、教育講演として藤田医科大学の喜島祐子先生に乳癌治療の現状をお話しいただきます。シンポジウムとしては、「口腔ケアのエビデンスの検証」、「周術期口腔機能管理」、「放射線性口腔粘膜炎」、「薬剤関連顎骨壊死」など急性期病院で課題となっているテーマや「要介護高齢者」、「地域医療」、「口腔乾燥症」など慢性期の病院や地域医療で課題となっているテーマなど、口腔ケア全般について活発な討論ができるようにと計画しました。さらに「造血幹細胞移植と口腔ケア」、「認知症患者のための口腔ケア」、「挿管患者の口腔ケア」というテーマでコンセンサスカンファレンスも企画しております。

口腔の健康はう蝕や歯周病の予防だけではなく、高齢者の誤嚥性肺炎の予防のほか、糖尿病・虚血性心疾患・慢性関節リウマチ・低体重児出産・感染性心内膜炎などさまざまな疾患の治療に役立つことが知られています。さらに、良好な口腔環境を維持することによりがん治療時の有害事象のリスクが減少することが明らかとなり、わが国では2012 年度に「周術期口腔機能管理」が診療報酬に新設されました。周術期口腔機能管理は現在ではがん治療だけではなくさまざまな疾患に適用されるようになっています。今回の学会で、これら口腔と全身の健康増進について、さらに詳細なエビデンスが構築できるのではないかと考えています。本大会を開催するにあたり、実りある有意義な大会といたすべく、教室員一同、鋭意準備に取り組んでおりますが、なにぶん不慣れであり、さまざまなご不便をおかけすることと思いますが、なにとぞご容赦ください。

長崎は江戸時代にも唯一世界との扉が開かれていた地です。気候は温暖で海の幸に恵まれ、長崎独自の美味しい焼酎、日本酒もあります。この長崎での学会が、参加された皆様にとって思い出深いものとなりますようお祈りするとともに、多くの先生方のご参加や演題登録を心よりお待ち申し上げております。

令和2年3月

第17回日本口腔ケア学会総会・学術大会
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